患者情報を無断で閲覧!?―セコム医療システムの爆弾回答

私たち北大阪ユニオンは、約1年に渡りセコムグループの株式会社TMJと争議を行ってきました。

この争議の経緯はこちら→ 記事① 記事② 記事③

当事者のNさんはTMJに雇用されていましたが、就業先は同じセコムグループのセコム医療システム株式会社のコールセンターでした。
そこで、当組合ではセコム医療システムにも団体交渉を申し入れ、先日2回目の交渉が行われたのですが、そこでセコム医療システムから衝撃の回答がなされました。

セコム医療システムのカルテ無断閲覧疑惑

Nさんがセコム医療システムで働く中で、セコム医療システムの社員からパワハラを受け、偽装請負を強要されていたことはこれまでお伝えした通りですが、さらにセコム医療システムは自社の電子カルテサービスを契約している医療機関のシステムに無断でアクセスし、患者の電子カルテを閲覧していたのです。セコム医療システムはNさんらTMJ社員に対しても同様の行為を指示していました。
もしこれが事実であるなら、とんでもない個人情報の侵害です。自分の病歴を含む個人情報中の個人情報が盗み見られるなどあってはなりません。カルテはセコム医療システムの商品かもしれませんが、そこに書き込まれた情報は患者本人だけのものであり、カルテ屋が勝手に見ていいものではありません。

当組合が当初この件について追及した所、セコム医療システムは「一般的にありえない」「その様な指導はしていません」と否定してきましたが、事実確認の為、当組合はセコム医療システムに対しアクセスログの調査を要求し、セコム医療システムもそれを受け入れました。そして調査が行われた結果、セコム医療システムから驚くべき回答がなされます。

たったひと月で24件の無断閲覧が発覚

なんと今回調査を行った2020年5月のひと月の間だけで24件もの無断閲覧が発覚さらに、現在もこのような無断閲覧を行っているというのです。
ひと月だけで24件ですから、セコム医療システムが電子カルテサービスを開始した当初から現在までの述べ数で考えると、数百から千件以上の無断閲覧があった可能性があります。一回の閲覧でカルテを見られた人の数は一人とは限りませんから、カルテを勝手に見られた延べ人数はもしかしたら数千人に上るかもしれません。
また、当初述べていた「一般的にありえない」「その様な指導はしていません」という説明とも整合性がとれません。

「誰が見たのか分からない」

この時点ですでに社会的大問題が発覚しているにも関わらず、セコム医療システムの代理人弁護士(TMI総合法律事務所 近藤圭介弁護士 西脇巧弁護士)からはさらなる衝撃的発言が飛び出してきます。

「(この24件の閲覧について)誰が見たのか分からない」

…誰が見たのか分からない!!?!??

なんと、今回発覚した24件の無断閲覧を誰が行ったのか特定できないと言うのです。私たちは「そんなはずない。IPアドレスとかで分かるはず」と追及しましたが、セコム医療システム個人情報保護相談室の田尾氏は「アカウントがadminしかないから分からない」と発言。その後もとにかく「分からない」の一点ばりを貫くセコム医療システム。そもそも個人情報を扱っている会社で、誰がアクセスしたのかすら分からないようなシステムになっているなんてありえるのでしょうか?

分からないけど問題はない??

セコム医療システムの衝撃的回答はまだまだ止まりません。なんとセコム医療システムは、無断閲覧を行った人物を特定できないと説明した後に、続けて「業務目的外でアクセスした事実は確認されなかった」と述べたのです。
当然のことながら、誰が閲覧したのか分からなければ、何の目的で閲覧したのかも分からないはずです。業務に関係することで閲覧したのかもしれませんし、興味本位で見ていただけかもしれません。そもそもそれを閲覧していたのが本当にセコム医療システムの社員だったのかということすら確認できないのです。

根拠は「みんなが言ってるから」

私たちが「一体何を根拠に言っているんですか?」と問いかけると、代理人弁護士の口からさらなる衝撃発言が飛び出します。

「ヒアリングではそういった話は出てない」

なんとなんと、社員への聞き取り調査がその根拠だと言うのです。しかも、24件の無断閲覧の一件一件について聞き取りしたのではなく、「業務以外の目的でアクセスしたことがあるか?」という聞き取りに調査対象の社員が皆「してない」と回答したということだけでもって、セコム医療システムは「業務目的外でアクセスした事実は確認されなかった」と回答していたのです。
電子カルテという個人情報中の個人情報を扱う会社が、「みんながそう言ってるから」という理由だけで、無断閲覧一件一件の具体的な調査もやらずに「問題なし」という結論を出しているのですから、もはや開いた口が塞がりません。
それに、仮に聞き取り調査の結果がすべてだとするなら、なぜNさんの証言は一方的に無視されるのでしょうか?

利用規約の範囲内?

セコム医療システムは加えて、医療機関や患者本人に無断でカルテを閲覧したことについて、「利用規約の範囲内でしか閲覧していないので問題ない」と主張してきました。しかし、この点についても根拠は前述のお手盛りのヒアリング調査のみでした。誰が何の目的で閲覧したのかすら分からないのに、利用規約の範囲内かどうかどうやって判断できたのでしょうか?
そもそも利用規約において、カルテ屋に過ぎないセコム医療システムが無制限に患者情報を閲覧できるような取り決めになっているとは到底考えられませんし、利用規約に書いてあれば何をしても良いわけではありません。当然ながら利用規約の文言よりも法律の条文の方が優先されます。
当組合はセコム医療システムに対して利用規約の写しの提出と、利用規約のどの項目を根拠に無断閲覧が問題ないとしたのかの説明を求めましたが、いまだにセコム医療システムから回答はありません。

調査を開始

私たち北大阪ユニオンはこれを社会的な大問題だと認識し、これを告発し、独自の調査を行うこととしました。
セコム医療システムの電子カルテサービスを利用している医療機関の皆さま、利用規約の情報や、契約時にセコム医療システムから個人情報の扱いについてどのような説明があったか、ぜひ当組合に情報をお寄せください。
私たちはNさんの争議解決に向け努力すると共に、この無断閲覧問題の全容が明らかになるまで、セコム医療システムを追及し続けます。

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