北大阪ユニオンニュース№228

北大阪ユニオンニュース№228 2020年10月

10.4北合同2020年定期大会開催
仲間同士で励まし支え合いながら前進しよう!!

10月4日(日)豊中市立労働会館で、組合員29名とサポーター1名参加のもと、北合同の2020年定期大会を開催しました。
大会では、昨期の活動報告・会計報告を行い、今期の活動方針案・予算案を提案、全ての議案が承認されました。なお、当日は12人の来賓の皆さまにご臨席いただいたほか、メッセージ9通も頂きました。お忙しい中、本当にありがとうございました。
活動方針では、特に、①コロナ禍が経済に与える影響が深刻化していく中、あらゆる方策を講じて労働者の生活と権利を守っていくこと。②豊能・高槻の支部の垣根を越えた活動や、コミュニティ・ユニオン関西ネットなど友好関係にある諸ユニオンとの交流・相互支援・合同での取り組みを積極的に行っていくこと。特に、女性・青年・業種別の組合員交流を進めること。③機関誌『北合同ニュース』の毎月発行を厳守すること・・・などを重点課題とすることを確認しました。役員選挙では、執行委員長の木村はじめ執行部体制が承認されました(新任なし、全員留任)。
大会議事終了後は引き続き交流会。今年は大会参加の組合員の多くがそのまま交流会にも参加し、にぎやかに盛り上がりました。
組合員の皆さん! 次の1年間も、労働者の生活と権利がしっかり守られ、気持ちよく働ける職場を目指して、組合の仲間同士で励まし合い支え合いながら、みんなそれぞれ自分なりに前進できるよう、頑張りましょう!

2020-21年北合同執行部体制

執行委員長 木村 真
副委員長 小泉 圭
書記長 鈴木 耕生
執行委員 西川 洋(豊能) 津林邦夫(豊能) 田治米修(豊能)高木隆太(高槻) 山本浩二(高槻)

【活動報告】

コミュニティユニオン全国ネット総会

去る9月26日、神奈川県横須賀市でコミュニティユニオン全国ネットワークの総会が行われました。
例年だと数百人が集まって2日間に渡って大交流会や分科会を開催するのですが、今年はコロナ禍ということで、規模を縮小して総会と食事会のみの開催となりました。それでも劇場のような会場に120人余りが集まり、距離を取りながら進行されました。
北合同からは私・書記長鈴木が単騎で突撃。総会パートでは名古屋ふれあいユニオンの鶴丸さんが運営委員に選任されるなど、少しずつ世代継承が進んでいる印象。争議報告ではコロナ関連のブラジル人労働者の大量雇止めの問題などが紹介されました。鈴木は時間の都合で食事会には参加できませんでしたが、コロナ禍でもくじけない全国の仲間たちの姿に励まされた思いです。来年は静岡にて開催! 来年こそはみんなで乗り込みましょう!

パンフレットもうすぐ完成です~広報委員会

パンフレット完成がもうすぐそこまで来ています!高槻支部の高木さんが本気でペンタブを買って作ってくれました。高木さんスゴイ! 大会で下書きを配ってみてもらいましたが、何か足りないものや変更すべき点があったら教えてください。なんとか今年中には完成させて、各支部に配布したいと思います。

【労働相談から】

 

《ユニバーサルロジ》職場復帰を勝ち取る !

Nさんは物流倉庫内での半日の軽作業の仕事に就いたが、最初の契約で、途中で転籍になり勤務先が変わることになっていた。しかし、実際に勤務先の変更日が近づくと、会社はNさんに雇止めを通知してきたため、変更先の勤務地には行くことができなくなった。 組合は会社に対し説明を求めて団交を行った。所長は「通勤ができないと本人より意思表示があった」と言ったが、Nさんは所長とこのような会話を交わした覚えは全くなかった。会社は社内での再調査を行うと主張し団交は中断したが、10日後に会社からNさんの職場復帰を認めると連絡があった。
会社のNさんへの対応は全く筋が通っておらず、当然のことであるが、Nさんは次週より転籍先で従来通りの勤務を続けることになった。この会社は雇用者への配慮が行き届かず、労働条件にもいろいろ問題があることが窺える。Nさん同様に不当な労働条件に耐えて仕事を続けている人も多いようで、今は会社の言いなりにならざるを得ない外国人労働者が増えているそうだ。Nさんの今後の社内での活動に期待したい。(小)

《Kさん(非公然)》再検査も陰性で出勤してもらったが…

保険者(自治体や企業の保険組合)から委託を受け、レセプト点検や特定保健指導などを行う会社で保険師として働くKさん。職場では、直接雇用もいれば個人事業主として会社から仕事を請け負っている人もいる。
その請負で働く看護師さんが、本務先の病院でコロナ陽性者が出たためPCR検査を受け、陰性だったが念のため自宅で健康観察となった。2週間の観察期間が明け、再検査でも陰性とのことだったので、Kさんはたまった仕事を片付けるため出勤してもらったのだが、これに同僚たちが過剰反応、「なぜ出勤させた!」「感染したらどうする!」などとわめきたて、意味もなくそこらじゅうを消毒したりするなど、ちょっとした騒ぎに。今後、社内的に問題視され、攻撃されないか、しばらく様子を見る必要がありそう。(K)

《豊能町教育委員会》とりあえず嫌がらせはなくなる

通信教育で資格を取り、豊能町の小学校で図書室司書として働き始めたHさん。月に1回他の学校の司書たちと行う会議があり、なぜかそこで他の司書たちから嫌がらせを受けるようになった。はじめの間は適当にやり過ごしていたが、いつまで経ってもおさまらないので、教育委員会の担当者に直談判したが、結局はどうにもならず、最後の手段として北合同に加入。ハラスメントの詳細と団交申入書を送ったところ、慌てて対処したらしく現在は嫌がらせはなくなった。(鈴)

《B社/S会》あまりに激しい紆余曲折の先は?

全国8ヵ所に美容整形を展開する医療法人のグループ企業での解雇事件。すでに実体を失ったB社を相手にせず、「親会社」に当たるS会に生活保障を求めて団交を申し入れたが無視され、大阪府労委に申し立てて調査が進んでいる。
併行して街頭宣伝も行っていたが、法人から雇用関係不存在確認請求の裁判を起こされた。こちらは雇用関係がないことを前提に争っているのに一体なぜ? しかもその弁護士、B社の社長となっていることも判明。どないなっとんねん?
関西ネットなど他ユニオンの協力も要請し、姫路・大阪・京都で一斉抗議行動を予定していた直前に弁護士から連絡があり「和解協議を」と。一斉行動は急遽中止に。ところが、そこからさらに一波乱あり、実はその代理人弁護士がとんだ食わせ物だったらしく、法人から解任! いやはや、まったく、なんのこっちゃ? 別の弁護士が登場し、和解交渉を再開。早期解決のため、条件が合えば和解するつもりはあるのだが、あまりに激しい紆余曲折を経ているので、さて、どうなることやら…?!(K)

《ミノケン》まずは労働条件通知書の交付を要求

箕面市内の建材会社。先代社長が創業者で現社長はその息子、3人の正社員・3人のパート(と呼ばれるフルタイム)以外は親族のみ。そういう会社ではありがちな話だが、就業規則もなし、残業しても残業代なし、休みは日祝のみで労働時間は週40時間を大幅に超え、年休すらなく、病欠したら即給料から引かれ、昇給も賞与も基準はおろかあるかないか・出るか出ないかも事前には全く知らされず…と、法令などお構いなし、全ては経営者の胸先三寸、労働者は「丁稚か使用人」ぐらいとしか見ていないとんでもない会社。
あまりのひどさに3人の正社員が同時に北合同に加入。要求したい事項があまりに多いので、3人で相談の上、まずは年休付与と残業代の支払いを求めようという話になった。ところが、残業時間を計算しようにも、そもそも定時、つまり所定の始業時刻・終業時刻すらはっきりしない。そこで、まずは前提として労働条件通知書の交付も求めることとし、「三点セット」(組合加入通知、団交申入、要求書)を提出。
会社は代理人弁護士を立ててきたが、この弁護士がどうやら労働法には疎いようで、まるでむちゃくちゃな通知書を提示してきた。話にならん! 問題点を指摘し「検討の上、回答する」と。近日中に交渉することになると思われる。ただ、公然化後、社長は急に低姿勢になったらしく、無駄な残業は全くなくなったと。とはいえ、社長の頭の中は戦前並みの旧態依然振りなので、すんなり運ぶかどうか、楽観はできない。(K)

《サンエール》有期雇用への変更は取り下げ

豊中市内の介護事業所。昨年4月に、それまで未加入だった雇用保険の加入を求めたことをきっかけに嫌がらせが始まり、今年7月には無期契約から有期契約への変更を求められた。これを機に、Tさん・Iさんの2名が北合同に加入。2度の団体交渉を経て、有期契約への変更は取り下げ、Tさんから仕事を取り上げていたことについても、担当件数をもとに戻させた。その後、今のところ、特に大きな問題はなく、Tさん・Iさんは、決して「居心地よい」とは言い難いものの、露骨な嫌がらせはないという状態。当面、様子を見ていく。(K)

〔寄稿〕まずは労働者自身が会社に休業を要求すべきだ

先頃、毎日新聞に「休校で休業助成低調 会社が二の足」という記事が載った。「新型コロナの感染拡大で学校が一斉休校したが、厚労省は、休校によって子どもの世話をする必要が生じた従業員に有給休暇を取らせた企業に対し、給与分を助成する制度を新設。ところが、この制度の利用が進まず、約1720億円の予算に対し支給実績は約80億円。勤め先の企業が申請しないケースが多いとみられ、無給で休んだり、休みが取れなかったりする人も少なくない。感染予防のため医師や助産師が必要と判断した妊婦に有休を取らせた企業に最大100万円の助成金が出る制度もあるが、こちらも利用は全く低調」という。
実例も紹介されている。①子どもが通う保育所から登園自粛を求められ、会社に休業と助成制度利用を申し出たところ、休職は認められたが助成の利用には難色。『あなただけ働かず給料を得ると復帰しにくくなる』『勝手に休んで無責任だ。なのに助成金を申請しろとはどういうことか』と叱責された女性は、会社への不信感を募らせ、退職することに。②一斉休校のため勤務時間を減らし給与が月5万円以下になったというパート女性は、労働組合に相談し、従業員が直接、助成金を申請できるよう、制度見直しを求めるオンライン署名活動を始めた。③妊娠が判明した20代の女性が、医師から休業を指示する診断書を得て、会社に助成金の利用を求めたが拒否され、有休を使い切り、無給で欠勤している…といった具合だ。
私は、「まずは、労働者自身が会社に休業を申請するところから始まる」と主張したい。要求の順番は、まず雇用主へ、次に政府や自治体へ、が順序だ。まずは会社に対し、「有給で子どもへの世話で休ませろ!」と要求することだ。会社が、従業員の給料分を、自腹を切って払うのか、国に助成金を申請するのか、そんなことは労働者の知ったことではない。
年休を取って休もう。そしてその年休を、後日、有給の特別休暇に振り替えてもらおう。国に提出する署名を個人が集めるなどということに時間とエネルギーを費やすより、会社相手に闘おう。これが労働組合のセオリーだ。「あなただけ休んで給料が保障されておかしい」と感じる人もいるだろう。そこから職場討議が始まる。「有給で休めるよう、あなたも一緒に会社に求めよう!」と。このたたかいは、職場での「助け合い」の根本からの問題だ。まずはあなたが、有給で堂々と休業しよう。会社を休もう。北合同は、そんなあなたを全力で応援します。(特別執行委員・中川幹雄)

【支部報告】

◇高槻支部

9月の支部会議には8名の組合員が集まった。久しぶりに参加した大手クリーニング業の支店勤務のAさんに近況を聞くと、先月より自宅待機ということだった。店は開けているが仕事がないので従業員はわずかしか出社していないという。新型コロナ感染対策の影響で、ホテルや病院のリネンサプライなど大口の依頼が激減し、個人客も「不要不急」の用事として足が遠のいているようだ。いつになったら元に戻るのか、仕事を忘れてしまうがな、とAさんは嘆いている。
最近の労働相談で、個人病院に勤務して半年経ったが上司と折り合いが悪くなり、それを病院が知ることになった結果、最初の無期契約を一年の有期契約に変更することに合意しろと迫られているという事案がある。背景には、コロナで病院経営が苦しくなりリストラに踏み切る事を考え始めた病院の事情があるようだ。組合にコロナ関連の労働相談がまだ少ないとはいえ、やはり組合員をはじめ働く者の生活全体に大きな影響が出てきており、変わりゆく社会の中で「働く者が安心して暮らせる社会」をどのように目指してゆくのかが問われている。
10月の支部会議では「CUNN全国総会・集会 in ヨコスカ」のライブ配信を皆で鑑賞した。全部で4時間近くの長い動画なので、途中かなり飛ばしながら。今年は代表者が集まって開催すると聞いていたので小規模な集会と思っていたら、驚いたことに、全国からのオンライン参加での多数のあいさつや闘争報告、横須賀など主催ユニオンからの準備周到な催し物、報告で盛り沢山の集会でした。例年の全国集会に引けを取らぬ熱気が伝わってきて、やはりユニオン全国集会はこれでなくては。また来年の静岡集会が楽しみだ。(小)

◇豊能支部

豊能支部の支部会議は、毎月第2金曜夜と第4土曜午後の2回、事務所で行っています。労働法令などについてのミニ学習会+近況報告です。11月は12日(金)19時からと、28日(土)14時から。どちらでも都合がつけやすい方にご参加ください。 (木)