大手派遣会社テクノプロと交渉
10月11日に、大手技術系派遣会社のテクノプロと一回目の団体交渉を行いました。
派遣先での業務とは別に、派遣元であるテクノプロからの指示で行っている業務(勤怠入力やメールチェック、経歴書の更新、評価面談の資料作り、CSR研修など自宅でパソコンを使って行う業務)について賃金を支払うことを求めたのに対し、テクノプロの回答は
・勤怠入力と経歴書の更新、CSR研修については、ユニオンショップ協定を結んでいるUAゼンセン人材サービスゼネラルユニオン(JSGU)と協議の上、「Web入力手当」として月500円支払っている(←日500円ではないことに注意)
・メールチェックは本人の自由を拘束しているわけではないので、労働時間とは認められない(←!!?!?)
・評価面談の資料作りについては申請すれば支払う
というもの。
今回の交渉ではこのテクノプロ側の珍妙な回答を巡り議論が紛糾することに。
意味不明な回答連発
まず、「Web入力手当」で支払い済みとしている部分に関して、たとえ労使協定を結んでいたとしても法令の方が上であり、働かせた分は支払わなければならないことを指摘し、そのうえで月500円の根拠を示すよう要求すると、
「勤怠入力についてはそもそも労働時間とは考えていないが、JSGUとの協議でWeb入力手当として支払っている」
「JSGUとの協議の議事録や具体的な計算方法については残っていないが、会社としては勤怠入力に月10分、経歴書の更新に年40分、CSR研修に年30分という計算だと理解している」
「そもそも勤怠入力ってそんなに時間かかりますか?」
と意味不明な回答を連発。
月10分で勤怠入力を済ませるなんてできるわけがありません。現実に即した時間で計算し直すよう求めると、
「JSGUとの協議で決定している」
「今のところ変更する予定はありません」
と今度は官僚のような答弁を連呼…。
これではまったく交渉になりません。
「労働時間とは考えていません」
次に、メールチェックは労働時間とは認められないので支払わないという主張について、現実に業務に関わるメールが送られてきているのだから労働時間以外の何物でもないことを指摘。
すると、
「時間と場所を指定して本人の自由を拘束してるわけではないので、労働時間性が認められない」
「メールチェックは労働時間とは考えていません」
「本当に読んだのかどうか会社では把握できないじゃないですか」
「メールマガジンとかも含まれてますしね」
「ポストに届くダイレクト・メールと同じようなもの」
と現実離れした爆弾発言を連発。
労働か労働でないかって、会社の「考え」で決まるんですか…??
いやいや、具体的に業務指示が来てますやん、とこれまでに送られてきたメールの内容の例を挙げたところ、
「そのメールの文章を見せてもらわないと回答できません」
いや、実際にどんなメールが送られているか把握できてないなら、なんで「メールチェックは労働時間ではない」って判断できたん?
現実にメールを使った業務で月どれくらい時間がかかっているかを会社の方で調査して、しかるべき金額を払うよう要求すると、
「今のところその予定はありません」
いや、ないなら作れ!その予定!
最後は沈黙
とにかくメールチェックを労働と認めたくないテクノプロ。
そっちがそのつもりなら、ということで
「じゃあ今後会社からのメールは開かなくていいんですね?返信しなくてもいいんですね!?」
と問いただすと、
「…(沈黙)」
さすがにこのままでは分が悪いと悟ったのか、勤怠入力とメールチェックについては持ち帰って検討するということで決着。
へ理屈と官僚答弁を聞かされ続け、頭がショートしそうな交渉でした。
テクノプロには悪あがきをせずに、会社として賢明な判断を下すことを期待します。
次回の交渉予定が決まったらまた報告します。