説明を求めてDRMと団体交渉

株式会社データリレーションマーケティング(DRM)で起こった違法な雇止め事件と、不当な出向命令事件についての経緯は、前回の記事で紹介しました。

団体交渉へ

Hさんは北大阪ユニオンに加入し、会社と交渉することに。私たちはまずは文書で「今回の出向命令は根拠がなく違法。すぐに撤回するように。」とDRM側に求めました。しかし、DRMはこれに対しても具体的な根拠を一つも示さず「出向命令は適法で問題ない。撤回はしない。」と、にべもない回答をしてきたのです。
これでは埒が明かないということで、私たちはDRMに対し団体交渉を申し入れ、先日実際の交渉が行われました。
(※労働組合法で、会社側は労働組合から申し入れられた団体交渉を正当な理由なく断ることはできない決まりになっています。)

ようやく出てきた説明。しかし…

会社側の出席者は、株式会社ダイレクトマーケティングミックス(DmMiX)の取締役T氏、同じくDmMiX人事戦略課課長のY氏(社労士)、DRMから人事部課長のA氏と人事課のO氏の計4名。ユニオンからもHさんを含めて4名が出席。この交渉の場で私たちが具体的な根拠の説明を求めると、ようやくDRMから今回の出向命令についての説明が出てきました。

DRMの主張は主に四つ。
①8月31日のお客様対応が一発アウトレベルに悪かった。
②これまでも度々注意していたが、改善が見られなかった。
③結果としてクライアントからクレームがあった。
④Hさんに反省の態度が見られなかった。
しかし、これらの主張も事実と照らし合わせてみると、実に不可解なのです。

DRMの手前勝手な説明

①について
DRMが実際の通話ログを示さないままに「あの対応ではお客様は怒りますよ」「あの対応で問題ないと思っているのであればなおさら(オペレーター業務はさせられない)」といったことを繰り返すばかりなので、私たちが「とりあえず一度聞かせてください。データを渡すとかは無理でしょうから、こちらがオフィスに出向いてその場で音声だけ聞くとか、編集したものでもいいので、聞ける方法を考えてもらえませんか?」と求めると、「聞いてもらうのが一番早い」「ぜひ聞いてもらいたい」「持ち帰って方法を検討する」とDRMも前向きな回答。この問題については持ち越しとなりました。
DRMが問題としているこの8月31日の通話については、Hさんも「確かに100点の対応ではなかった」と認めています。しかし、前回の記事でも述べたように、Hさんは管理者に交代するという最低限の役目は果たしていますし、確かにお客様の怒りを静められなかったとはいえ、何かお客様に向かって暴言を吐いたわけでもありません。「対応困難なケースにうまく対応できなかった」だけで一発アウトというのは、あまりにも乱暴な話です。どんな相手でも100点の対応ができるオペレーターなどいるわけがありません。
さらに、DRMでは「お客様対応は最終対応者で判断される」ということが決まりになっています。今回のHさんのケースでは、Hさんは上席のT氏に取り次いでいるのですから、DRMの決まりでいうならば、このお客様対応の最終責任者はT氏になるはずです。しかしDRMの口からは一言もそのことについての言及がありません。SVのM氏は常々オペレーターに対し「対応困難なケースは管理者に代わるように」「これはオペレーターの皆さんを守るため」と周知していました。Hさんはこの指示に従い、電話を取り次いだのです。にも関わらず、なぜかHさんだけがやり玉にあげられているのです。DRMは自らが作ったルールを自ら破って、Hさんに責任の全てを押し付けています。これは明らかに異常と言わざるを得ません。

②について
DRMが「今回の件だけでなく、これまでも注意してきた。それも勘案しての判断」といったことを言うので、私たちは「具体的にいつ誰が何について注意したのか説明してください」と求めました。するとDRMは「直近で8月30日にも注意している」と述べたのですが、誰が注意したのか分からず、慌てて電話で確認することに。電話の結果、SVのM氏(「即刻退職レベル」と言った人)が直接注意したとのことだったのですが、Hさんには全く身に覚えがありません。人事に影響を及ぼすような注意については、ハンコや署名などで本人に注意を受けたという確認を取るのが通常です。そうでなければ会社側が自由に注意した「事実」を後付けできるようになってしまい、公平性が担保できません。こんな後出しジャンケンのようなやり方で給料が大きく目減りする部署に飛ばされるなど、到底納得できるものではありません。
おまけに、Hさんはそのほんの10日ほど前に、当のM氏から「Hさん今月調子いいね!この調子で頼むよ」と激励を受けているのです。さらに、Hさんはこれまで順調に毎月のポイントも達成してきており、まるで以前から問題社員であったかのようなDRMの説明は不合理と言わざるを得ません。

③について
クライアントからのクレームについては、前回の記事でも紹介した通り、今回Hさんの部署が担当していたクライアントからクレームがあるなど、暴言でも吐いていない限りはおよそあり得ないことです。実際それがあったとするならば、DRMは証拠と共にその具体的な内容を提示しなければなりません。そうでなければ、これもまた後出しジャンケンに過ぎません。

④について
これも前回の記事で書いた通り、Hさんは具体的な説明もないまま一方的に架電を停止され、SVのM氏からは「即刻退職レベル」と言われたり、以前お客様に暴言を吐いたオペレーターを引き合いに出されるなどされている状況でした。また、その後人事との面談でも、「注意書」の文面でも、一向に具体的な説明はされておらず、Hさんは何を反省すればいいのか分からない状態が続いていました。このような状況を自ら作っておきながら、「反省の色が見られない」などと述べるのは、イチャモンという他にありません。反省とは「自らを省みる」という意味です。DRMにはまず自分から始めていただきたいものです。

このように、DRMの主張は根拠を欠き、到底納得できるものではありませんでした。議論は平行線となり、DRMも前向きだった通話ログの開示の件も含め、改めてこちらから要求をまとめて送るということで今回の団体交渉は終了となりました。

そして後日、私たちが要求をまとめて送ると、DRMから驚きの回答が返ってきます…。

(次回に続く)

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