いきなり部長から平社員に降格!?ザ・パック株式会社の違法な人事

ザ・パック株式会社

本社:大阪府大阪市東成区東小橋2丁目9-3
TEL:06-4967-1221

紙袋をはじめとした、あらゆる包装資材を扱う、東証プライム上場の大企業。社員数1,183名。

突然の自宅待機命令

Kさんは、ザ・パック株式会社の100%子会社である愛知県の株式会社パックタケヤマにて、本社からの出向で製造部長として勤務していました。Kさんは製造部長として尽力し、結果としてパックタケヤマは業績も回復し、ボーナスの増額など、具体的な成果が上がっていました。ところが昨年12月22日、Kさんはザ・パックのF常務より突然本社に呼び出され、一ヶ月の自宅待機と本社への異動を言い渡されたのです。理由はKさんが部下に対してパワハラを行ったという告発文が届いたので、その調査のためとのことでしたが、具体的な内容の説明やKさんへの聞き取りは一切ありませんでした。Kさんにとっては寝耳に水で困惑したものの、会社からの命令であること、自身の身の潔白に確信があること、F常務から「調査の結果次第ではパックタケヤマに戻る可能性はある」と説明されたことから、これを受け入れました。

ヒアリングもなしに「戻ることはない」

しかしながら、結局一ヶ月の待機期間中にKさんへの聞き取り調査は行われず、ザ・パックは自宅待機の延長を言い渡しました。これだけでもザ・パックの対応は不可解ですが、それだけでなく、ザ・パックはまだ調査が完了していないにも関わらず、Kさんに対し、大阪近郊への引越しを早く進めるよう繰り返し要求しました。KさんはO執行役員に対し、「あまりにも無茶苦茶だ」と抗議しています。
本年1月23日になり、ようやくザ・パックとKさんとの面談の場が設けられました(出席者:O執行役員、N監査役、T弁護士、Kさん。場所:T弁護士事務所)。ところが、その面談の前に、KさんはO執行役員から「タケヤマに戻ることはないので引越しの話を進める」と伝えられたのです。まだ自身へのヒアリングすらされていないにも関わらず、一方的に決定を押し付けられたことで、Kさんは強い精神的ショックを受けました。

二転三転するザ・パックの主張

当然のことながら、Kさんはこの面談において、ようやく自身の嫌疑についてのヒアリングが行われるものと理解していました。しかしながら、実際の面談では、T弁護士が「何か心当たりはないか?」と繰り返すばかりで、事実確認などなく、尋問のようなものが行われたのです。Kさんは具体的な嫌疑を説明するよう再三にわたって求めましたが、最後までザ・パックから具体的な説明はありませんでした。
それどころか、この面談の場でザ・パックは主張を二転三転させました。ザ・パックは当初、部下に対するパワハラの嫌疑でKさんを自宅待機としたはずですが、この面談ではパワハラに関しては「その件はもういい」などと議題に上がることなく、身に覚えのない労災隠しや、他の些細な問題について追及されたのです。確かに業務中の事故はありましたが、「労災にしたくない」という本人の強い意向もあり、Kさんは上席であるパックタケヤマの役員に報告し、判断を預けています。これらについてKさんが具体的に反論すると、ザ・パックは主張することがなくなったのか、最終的に「あなたはひどいことをした。」ということだけをひたすら強調するに至ったのです。
仮にパワハラや労災隠しが事実であったとしても、それらは別々の問題として個別に調査されるべきもののはずです。にも関わらずザ・パックがこれらを一まとめにしたことは、Kさんの自宅待機中にザ・パックが行った調査が、個別の問題の解決のためのものではなく、Kさんの「失点」を探し出すための身辺調査だったことを証明しています。ザ・パックがパワハラの嫌疑をあっさりと取り下げたこと、処分の対象にできるわけがない極めて些細な問題を持ち上げてきたことがその証左です。パワハラから始まったはずなのにどんどんとしぼんでいく嫌疑と、理屈を無視して無理筋を押し通そうとする会社の態度に、Kさんは強い怒りを覚えました。

そして下された「降格処分」

2月28日になり、ザ・パックはKさんを本社へ呼び出し(出席者:瀧之上副社長、F常務、N監査役、Kさん)、「服務規律違反で、一般職にて大阪工場勤務を命じる」と言い渡しました。なんと、部長から平社員に降格させるというのです。ここでもKさんは具体的な説明を求めましたが、会社側は「総合的に見ての判断」と言うばかりで、具体的な説明を拒否しました。Kさんが再調査を申し入れると、F常務は何の根拠も示さないまま「再調査の必要はない」と言い切りました。Kさんは「課長職から一般職への降格は処分として重すぎる」と抗議しましたが、ザ・パックは聞く耳を持たず、3月1日に「大阪製造事業部付勤務を命ず」とした辞令を一方的に交付したのです。

ザ・パックの横暴に徹底的に争います

課長職から一般職という、常識では考えられないような降格を決定しておきながら、ザ・パック株式会社は今日に至るまで、Kさんへの聞き取り調査や具体的な説明を一切していません。また、今回の決定が就業規則上の懲戒処分なのか、それとも単なる人事異動なのかもザ・パックは明確にしていませんし、給与の変更についてもなんら説明していません。いずれにせよ大幅な降格にあたっては、必要十分な根拠と理由の説明がなければならないことは言うまでもないことです(労働契約法十五条)。この国は法治国家であり、会社が主張したことがすべて通るわけではありません。ザ・パックの決定には根拠がなく、労働契約法に違反しています。従ってこれは無効です。ザ・パックのこの一連の対応は、上場企業とは思えないような杜撰さであり、結論ありきで本人をないがしろにしたと考えざるを得ません。
当組合とKさんは、その生活と尊厳のために、徹底的に争うことに決めました。責任ある者に、しかるべき責任を取らせるまで闘います。

ザ・パック株式会社および株式会社パックタケヤマで働いている皆様へ

Kさんを助けてください!
今回の件は、明らかな「狙い撃ち」の処分です。
一度会社にこのような横暴を許してしまえば、それはこれからも事あるごとに繰り返されることになるでしょう。
そのターゲットがあなたではないという保証はどこにもありません。
そうでなくとも、「上ににらまれたら何をされるか分からない」という状況の中、ビクビクしながら働き続けることになることは確実です。
会社側が主張しているKさんの「パワハラ」「労災隠し」その他の問題について、皆さんの知っている情報を当組合まで届けてください。
Kさんは「必ずパックタケヤマに戻る」と徹底抗戦の覚悟を決めています。
どうか皆さんの協力をお願いします。

連絡はこちらまで→北大阪ユニオン相談窓口

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