ダイハツが障害者雇用で働く社員へのパワハラをもみ消し!?

ダイハツ工業株式会社

本社:大阪府池田市ダイハツ町1番1号

認証不正問題に揺れるダイハツで、トランスジェンダーで精神障害を持つ社員に対するパワハラ・雇止め事件が起こりました。
北大阪ユニオンはこの問題の解決のため、ダイハツと交渉を行っています。

○ようやく見つけた働ける場所

精神障害を持ち、トランスジェンダーでもあるYさん。職探しをしてもなかなか就職先が見つからなかったのですが、ダイハツ工業株式会社の障害者枠での採用に受かり、ようやく生活の目途が立ったと、希望を持って入社しました。Yさんは採用面接の時点で「人間関係に不安を感じやすい」「障害により記憶力、判断力、理解力が低下している」など自身の特性についても伝えており、ダイハツ側もそれを了承しての採用でした。

○始まった上司からのパワハラ

2023年の3月から勤務を開始したYさん。しかし6月頃から直属の上司であるS氏から精神的なパワハラが始まりました。「障害を言い訳にしている」「障害者だからといって特別な配慮はしない」などといった心無い言葉を投げられるようになり、Yさんは少しずつ精神状態が悪化していきました。夏休み前の個人面談において、S氏から自身が利用している福祉サービスが打ち切りになった理由について問われたYさんは、家庭内で受けた虐待やそれに起因する自身の経済的困窮を含め、具体的に説明をしました。するとS氏は「お金の問題は自分の責任だ。大なり小なりみんな家庭の問題があるからそんなことは理由とならない。いい加減言い訳する癖をやめるように」という信じがたい発言をしたのです。虐待を受けた経験や経済的困窮を、まるで「些細なこと」かのように扱われたことによって、Yさんの精神的ストレスはピークに達し、フラッシュバックと自責の幻聴が起こるようになりました。精神疾患とその背景となる家庭内での虐待について、何ら具体的な事情も知らず、また知識もない人間が自分の常識でもって一方的にジャッジを下してはならないということは、言うまでもなく精神障害者と関わる者にとっての最低限の「常識」です。

○相談窓口に相談するも…突然の雇止め通告

YさんはS氏によるこれらの発言について、ダイハツのハラスメント相談窓口に相談しましたが、結局は第三者ではなくS氏の上司である部長が周辺への聞き取りを行っただけで、「言った言わないの話になるので今後はお互いに注意する」というあいまいな処理に終わりました。そして何一つ問題が解決しないままに12月になり、ダイハツは業務能力・勤務態度不良を理由に2024年2月いっぱいでの雇止めをYさんに通告したのです。

○聞き取りもせずに「パワハラはなかった」

Yさんは当ユニオンに加入し、ダイハツに雇用の継続とパワハラを止めさせることを求めましたが、ダイハツは本人への聞き取り調査もしないままに「パワハラは確認できなかった」とし、あろうことかYさんを虚言癖扱いしました。パワハラの加害者を処分するのではなく、被害者を追い出すことで問題に蓋をしようなどというのは、とても大企業のやることとは思えません。認証不正を隠蔽し続けたダイハツの体質は何も変わっていないということなのでしょう。ダイハツは「誰一人取り残さない社会の実現」を目指すと謳っていますが、それこそ「虚言」ではないでしょうか?

○大阪府労働局が「障害者虐待」として行政指導!

Yさんはこれらのパワハラについて、障害者虐待防止法にもとづき大阪府労働局に通報。ダイハツは大阪府労働局から「障害者虐待事案」として立ち位置調査を受け、行政指導を受けています。これは公的機関から虐待として認定されたことを意味します。ダイハツはそれでもなお「パワハラは確認できなかった」とうそぶくのでしょうか。ダイハツは日本を代表する大企業としての社会的責任を果たすべきです。

○ダイハツで働く皆さんへ

ダイハツにはダイハツ労働組合がありますが、正社員しか加入できず、加入していたとしてもまともに対応してくれることは期待できません。ダイハツ労働組合が労働組合として機能していれば認証不正などなかったはずです。職場でのパワハラ、セクハラ、不正行為の強要などは、私たち北大阪ユニオンまで相談してください。私たち北大阪ユニオンは、困難を抱えながらも働くすべての人の尊厳のために、粘り強くダイハツに働きかけていきます。

相談はこちら→北大阪ユニオン相談窓口

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