きたユニ 2021年12月号

残念な結果だった衆院選~一喜一憂せず
「生活の現場」での地道な活動を !

10月31日投開票の衆院選。自民は議席を少し減らした程度で踏みとどまり、公明は微増、国政では自民党の「別動隊」である維新の会が躍進。一方、立憲民主、共産が議席減で「野党共闘」は伸び悩み。北大阪ユニオンが全力で応援した大椿ゆうこさん(社民党、大阪9区・比例近畿の重複)は残念ながら当選に届かず。豊中(大阪8区)の松井ひろふみさん、高槻(大阪10区)の辻元清美さんも落選。全般に、労働者の生活と権利を守る姿勢を明確に打ち出した勢力は苦戦し、規制撤廃など企業の金儲けを優先する勢力が伸びるという、労働運動にとっては残念な結果となりました。
問われたのは安倍・菅政権の評価
岸田内閣は発足直後でまだ何の実績もないため、安倍政権~菅政権の9年間をどう評価するかが焦点となるはずでした。多数の自宅放置死を生んだコロナ対応。30年近く全く上がらない実質賃金。「モリ・カケ・サクラ」や河井夫妻の1億5千万円の買収事件はじめ「ウソと隠ぺいと改ざん」「お友だち優遇・政治の私物化」「政治とカネ」の問題。日本中ほぼ全ての憲法学者が違憲だと表明する中、内閣法制局長の首をすげ替えて強行成立させた安保法制などの悪法や、政権の意に沿わない人物を学術会議会員任命拒否し一切の説明なしなどの強引な手法…等々、政治の「劣化」「底割れ」を招いた「アベ・スガ政治」を継続するのか、それとも、市民・国民の「いのち」と「くらし」を中心に据えた「まともな政治」へ転換するのか? それこそが争点となるべきでした。
岸田首相は、「(現状は)民主主義の危機」と述べましたが、政府と自民党で要職を歴任してきた岸田氏は、危機を生み出した張本人。政治の流れを変えることなどできないし、そのつもりもないことは自明ですが、「新しい時代を」「成長と分配の『新しい資本主義』」といった中身のない空疎な言葉だけのスローガンがそれなりに支持されるという、残念な結果となりました。
社会に民主主義を根付かせるために
形式上は民主的な選挙が行われているとはいえ、この国では民主主義が健全に機能しているとは思えません。なぜか? 「生活の現場での民主主義」がないからです。多くの労働者は職場で上司の顔色をうかがいながら働き、会社の理不尽に文句も言えずただ従うだけ。日中の大部分の時間を過ごす職場が、極めて非民主的な状態なのです。自らの労働条件を、経営方針を、労働者自身が決める。少なくとも、意思決定に労働者も参画する。労働者にとっては職場。児童・生徒・学生にとっては学校・大学。自分が暮らす地域・自治体。生活の現場での民主的な議論と意思決定なくして、社会に民主主義が根付くことなどあり得ません。
「誰でも1人でも入れる労働組合」北大阪ユニオンは、労働者の生活と権利を守るために活動しています。それは、目の前で苦しんでいる1人の組合員のためであると同時に、職場での実践を通じて広く社会に民主主義を根付かせ、世の中を変えていくことでもあります。そう確信して、選挙結果ごときに一喜一憂することなく、地道な活動を続けていきましょう!(木)

政府主導の「賃上げ」で本当に労働者の
給料が上がるのか!?

岸田新政権は「成長と分配の好循環」を旗印とした「新しい資本主義実現会議」を発足させ、分配戦略の具体策として、賃上げした企業に対する減税措置の拡大など「賃上げ税制」の抜本強化の提言を行いました。これまでの「賃上げ税制」は、新規雇用者の給与総額について一定以上増やした企業に対して法人税額から15%分控除する減税措置ですが、提言では、継続雇用者一人当たりの給与を一定以上増やしたり、非正規雇用者も含めた給与総額を増やした企業を減税対象にする、また賃上げに積極的な企業に対し税額控除割合を引き上げるなどとしています。
そして、公的部門では介護職や保育士、幼稚園教諭の収入を来年2月から3%引き上げる措置を前倒しで進め、民間部門では官製春闘を継続し、来年の春闘に向け経済界に「3%賃上げ」を要請すると明らかにしました。即ち、政府機関など公的部門と企業などの民間部門とのそれぞれで賃上げを促し、「分厚い中間層を構築」して更なる成長につなげるという提言です。
しかし忘れてはならないのは、長期に渡る安倍政権下での経済政策の失敗によって、日本は既に「持てる国」ではなくなっていること、更にコロナ禍によって国全体の貧困化が増大していることです。アベノミクスの成長戦略で、一体どれだけの企業が賃上げを実現したのでしょうか。更に、派遣や非正規雇用の激増による格差拡大も大きく影響し、もはや「賃上げ→消費拡大→経済成長」という単純な成長戦略は的外れで期待できません。従来の無策を根底から変革する現実に即した経済政策が必要です。そうでなければ「分厚い中間層」どころか「分厚い格差の壁」が増大するだけです。
まず必要なのは、コロナ禍で生活が困窮している人々への迅速な生活支援です。これを最優先に取組むことを前提に、全ての層の低賃金で働く者に対して、賃上げが確実に手元に行き渡る仕組みを作るべきです。
全国ユニオンでは、最賃1500円を要求する運動を引き続き進めていますが、政府には最賃引上げを含めて、労働者が安心して生活できる賃金水準の「底上げ」の取組みを強化し、企業に対して減税や助成金等の政府支援を「賃上げ」として労働者に確実に分配させる強力な政策要請を行うよう求めます。(小)

【活動報告】

東リ偽装請負事件 大阪高裁が直接雇用を認定し逆転勝利判決!
11月4日、大阪高裁で東リ偽装請負事件の判決があり、偽装請負状態で働かされていた派遣労働者5名が、派遣先東リ株式会社と直接の雇用関係があると認定されました。労働者を使用している企業が雇用の責任を負うべきであるという「直接雇用の原則」が適用された判決であり、派遣労働者保護のために改正された労働者派遣法40条の6「直接雇用申し込みみなし」制度を適用された日本で最初の勝利判決となります。当初、兵庫労働局は「偽装請負状態はなかった」と判断し、神戸地裁もそれを支持した判決でしたが、今回の控訴審では工場の労働実態を検討して「偽装請負であった」と正しく認定しました。
会社の業務指示に従わせて長期間働かせ、事実上の雇用関係にありながら、「請負」契約によって労働者保護の制度適用から免れるということが、特に建設関係の職場で広範に行われてきました。労働者も社会保険料控除がないなど目先の利点に惑わされ、受け入れてしまいがちですが、明らかに将来の保障のない不安定極まる労働環境です。
今回の判決は、違法派遣状態で働かされている労働者に大きな希望を与えるものです。ここまで粘り強く闘いを進めてきたなかまユニオンに深い敬意を表し、今後もこの闘いへの支持、支援を続けてゆこうではありませんか。(小)

11/7とよなか「市民力」フェスタに出店
焼き鳥バカ売れ! なのに・・・
11月7日(日)、豊能支部のメンバーが、とよなか「市民力」フェスタに焼き鳥で参加しました。2本100円で販売し、用意した200本をあっという間に売り切って、追加の200本と合わせて400本を堂々の完売! まさしく「バカ売れ」でした。
ところが! 終わって収支を計算してみると、粗利益はたったの1,980円! 炭や網その他、初期投資が結構かかったためです。また使えますから、次回は経費が抑えられるので、きっと大儲けできます!
組合員の親睦のための出店で、儲けが目的ではありませんが、やはり売れれば楽しいものです。今回不参加の人も、次回はぜひ応援に来てください! 天気も良く、楽しいお祭りとなりました。      (鈴)

大企業労組出身ではない初の女性会長
芳野連合新会長に期待できるか???
連合の新会長に就任した芳野友子氏はミシンメーカー「JUKI」の労組委員長を務め、大企業労組の出身ではない、連合初の女性会長です。神津旧会長の後任人事をめぐっては調整が難航し、9月末の会長選挙締切り時には立候補届け出がなく、締切りが延長される事態となりました。この時、全国ユニオン会長の鈴木剛氏が立候補の意向を示しましたが、芳野氏の立候補を受けて選挙戦を避け、声明を発表して辞退しました。
声明の中で鈴木氏は、連合はナショナルセンターとして、政府主導の「政労使」の罠にはまり込んだままの「協議型」から「要求と行動」の原則に立ち返ることを最優先課題として、「働くことを基軸とする安心社会」をめざして、組織内外のすべての働く人々に希望あるメッセージを示すべきであると要望しています。しかし就任後の芳野新会長から革新的な発言はなく、神津路線をそのまま引き継いでいるように見受けられます。中小企業労組での活動の経験を生かした方針を期待したいところですが…。女性会長ということも、自民党総裁選での女性2人の立候補が画期的だった、というのと何ら変らない評価を期待しているなら、的外れとしか言いようがありません。
更に最近では、衆議院選挙で立憲民主党の野党共闘に関して、共産党との共闘への牽制発言を行い、物議をかもしました。野党が完敗したため、これも敗因のキーワードとなっているようです。選挙での連合と野党政党との関係は、以前から政党の存立まで含めのて問題になってきました。今回もそうした事態に発展するのかはわかりませんが、連合を顔のない単なる票田として一括りに考えてしまえば、結局はそれだけの集合体です。しかし、今こそ鈴木氏の言うように、顔を持つ一人一人の組合員が安心して暮らせる社会を真剣に考える組織変革に着手できれば、連合も今の沈滞した格差社会をなくすための大きな力となるでしょう。(小)

【闘いの現場から】

《ラミネート工業》会社側弁護士が裁判を放り出し辞任 !
地位確認等請求裁判が、毎月1回のペースで進んでいる。
被告人側の準備書面は懲戒、解雇処分の理由が不明瞭として裁判所から再提出を求められていたが、それに応じた書面は社員の証言なるものを時系列も無視して並べ立てたもので、全く代わり映えしない。中には「従業員はみなIさんを嫌っているので、もし復帰したら全員会社を辞め、Iさんは1人で会社の仕事を全部やらなければならない」など裁判向け文書と思えない部分もある。
また、裁判所が双方に促した和解について、被告側は余りに低額で常識的な範囲を外れた金額を提示してきた。更に、Iさん以外の着替え手当不正受給者として従業員2人の始末書、懲戒処分通知書が証拠として出されたが、その氏名、署名部分は黒塗りされ誰なのか判らない。2人の始末書はタイプ打ちで内容は全く同一なので、後からの偽造を疑われても仕方ないだろう。そして、これらの書面が提出された後、被告代理人弁護士の代理人辞任届が出された。
この弁護士は、組合との交渉以来一貫して主張があいまいで、裁判も欠席が多く、いかにもヤル気のない態度が明白だった。すぐに次の弁護士が就き裁判は続行されるが、ここまできて余りにも無責任な弁護士の姿勢、会社の任せっぱなしの態度に、怒りを通り越して空いた口が塞がらない。(小)

《グリーンリッチホテル》謝罪と職場復帰を求めて戦闘再開!
西日本で約30軒のホテルを経営する会社(本社は福岡県)。伊丹空港前のホテルで働いていたIさんが、ハラスメントを放置され退職を余儀なくされた。謝罪と復職を求めている。家庭の都合でしばらく「休戦」していたが、再度同じ要求書を突きつけて戦闘再開! ホテル前での抗議宣伝を開始した。
会社からはまたしても拒否回答が届いたが、気にせず抗議行動を続けている。抗議行動ではホテル側が警察を呼んだが、正当な労働組合活動に警察が介入する余地などあるはずもなく、お引き取り願った。大きなトラブルにはならかったのだが、行動に参加していたIさんの娘さんMちゃんは「修羅場にならず残念!」と。いや~、肝が据わってます! 早期決着を目指し、改めて団体交渉を申し入れる予定。(K)

《アートスクール大阪》不誠実団交で府労委に申立て決定 !
6カ月の有期契約で大阪市内のアートスクール大阪に就労したMさん。面接時に正社員への登用もあると聞いていたので、契約終了の1カ月以上前から事務を通して問合わせていたが、会社から連絡はなく、月末になってようやく会社責任者のY部長と面談できた。しかし部長はトンチンカンな返答のみで、結局まともな説明もなく「契約は終了」と通告。更に、次の就職先から問合せがあったらMさんに不利な回答をする、と言うなど、Y部長の対応は一貫してパワハラ気味、威圧的だった。その後再度要求したMさんに会社はようやく「契約更新をしない理由書」を出したが、コロナ禍のため会社の経営状況が良くないため、Mさんの勤務態度に問題があったから、とのみ。
組合は会社に要求書を出し団交の運びとなったが、冒頭からY部長はMさんに対して「嘘つき」などと非難し始め、会社の対応の正当化に執着した。議案を進めても途中で何度もその発言を繰り返し、結局時間切れで肝心の議題に入れず、次回に持ち越しとなった。
2回目の団交の前に、組合はY部長に、団交の場で再びMさんを「嘘つき」と言って指さし罵倒したり、にらみ続けるなどのあるまじき態度を取ることは許さない、と警告した。
しかし、第2回団交でもY部長は、Mさんの「嘘つき」発言のことを抜きに話は進められないと言い、再び議事を混乱させてきた。部長は、面談時にMさんが興奮して「訴えてやる」と言った、最後は自分も「勝手にしろ」と言った、と主張して譲らない。(Mさんが「訴えてやる」など言っていないと否定したのを「嘘つき」と断じた。)
そこまで言うならと、Mさんは面談時の最初からの録音を聞かせた。その中に「訴える」等の言葉は一切なく、Y部長自身が言ったという発言もなく、上司と部下のごく通常な受け答えの雰囲気だった。
これで全くのY部長の作り話だったことがはっきりしたが、部長は「録音は途中から」「録音が一部消されている」などと言って認めようとせず、話が先に進まない。
そもそも、部長の言う「嘘つき」の件は団交議案の本題には全く関係がない。組合は、部長をどれだけ説得してもこれ以上に対話を進めることはできないと判断し、団交を中断し、不誠実団交による不当労働行為として労働委員会へ申立てることにした。(小)

《OGBC分会》分会を結成し公然化、労災申請
大阪ガスグループの管理部門(人事、総務、経理など)を分社化した「大阪ガスビジネスクリエイト」。業務によっていくつかの「事業本部」に分かれているが、HR事業本部で、管理職ができもしない業務を安請け合いしてくるため、クライアントとの間で板挟みになったり尻拭いをさせられたりで、異常な長時間労働が常態化。時間だけでなく業務上の過大な責任もラインのスタッフに押し付けられ、過重労働により心身の不調となり、休職したり退職に追い詰められたりするケースが頻発している。
「HR」とはヒューマン・リソースの意で、人事・人材配置・社員の健康管理などが根幹業務なのだが、まさにそのHR事業本部で過重労働による休職・退職が相次いでいるのだから、異常なことだ。
しばらく前に組合に加入し、非公然で対応してきたが、11月末、複数の組合員で分会を結成し公然化。労基署に(組合未加入の人も含め)3名同時に労災を申請、大阪ガス本体へも公開質問状を届けて、近く直接の雇用関係があるOGBCとの交渉を申し入れる予定。(K)

《セレブリックス》自宅に近い勤務先に戻すよう交渉
Nさんは大手化粧品会社から委託を受け、量販店などをまわり、商品の補充や販売促進などをしている。委託先が予算を削減してきたため、担当の店舗数が増えるなど、勤務条件が変更になることに。本格的な変更は年明けの1月からだが、11月からNさんの担当エリアが、自宅に近い枚方から東大阪になった。
一方で会社は、枚方の担当者の求人を出していたため、Nさんは自分の担当を枚方に戻すよう求めたが、会社から納得のいく説明がない。契約更新が12月に迫っており、それ以前に会社との面談があるため、面談に組合の同席が可能か会社に確認し、だめなら団交を申し入れる。(小)

《スバル・トータルプランニング》陽性対策検索問合せは「素行不良」?!
Mさんは月・木勤務で障害者介護の仕事に従事している。今年6月に事業所の職員がコロナ陽性になった時、世話人会議で主張したことを、公共の場で会社を批判したとされた。また、7月にグループホームのPCR検査で世話人1人が陽性になった際に、グループラインに疑問点を発信したことを、公共の場で会社批判を行ったとして、Mさんに「弁明通知書」が届いた。通知書には、「素行不良で当施設の風紀秩序を乱した」「パワハラに該当すると思われる行為をした」時に該当するとして就業規則違反に問われた。
公共の場ではなく社内での発言であり、通常の発言、会社のことを考えての対応が何故叱責されるのかわからない、どのような弁明書を書いたら良いのかと相談に訪れた。
Mさんに対する会社の思惑があるようなので、思った通りを書き、会社の対応を見ることにする。弁明書提出期限は11月18日。(小)

《岩田硝子》先輩社員のパワハラを止め雇用継続を
アンプル、バイアルなど医薬品用ガラス容器を製造する会社(門真市)。創業100年超、会社設立からでも75年を数える。
特殊な製品のため、製造のための機械も自社でつくっているのだが、その機械設計として採用されたKさん。設計の仕事をしていたものの分野が少し違うため、採用前の面接時には自分が手掛けた設計図面を持参。採用されたので、即戦力かどうかはともかく、十分に対応可能と判断されたのだろう。ベテラン社員のサブとして働き始めた。
入社数ヶ月後、それまで仲の良かった先輩社員Oと、ふとしたことがきっかけでトラブルに。その後、ことあるごとに目の敵にされるようになった。「不仲」(Kさんにしてみれば一方的に敵対されるパワハラそのものなのだが)に会社も気づいたが、Oの専門は電気制御で、会社で1人だけ、かつ、求人を出しても適任者が見つかりにくい稀少人材。一方、Kさんの機械設計(メカニック部門)は、ベテラン社員が在籍している。代替可と判断したのか、会社はKさんに対し退職勧奨してきた Kさんは「辞める気はないし、辞めねばならない理由もない」と明確に拒否したにもかかわらず、会社は「会社負担で再就職支援サービスをつける」等々、退職前提にどんどん話を進めようとする。
たまらずKさんは北大阪ユニオンに相談、加入した。「退職勧奨をやめ、雇用継続」と「Oのパワハラを辞めさせること」を求めて、近く団体交渉の予定。(K)

《藤本病院》同僚とのトラブルを一方的に問題視
Sさんは病院のケースワーカーで、新人との不和が原因でストレスを抱え、現在休業中。上司から反省文の提出を求められるなど、病院は一方的に組合員に問題があるとして、組合員からの弁明も事実上無視している状態。Sさんは以前、別の職場で当組合に加入した経緯があり、相談してきた。
Sさんが組合に加入すると、上司は「どこの組合だ」と激高し、出勤すると病棟での勤務を拒否するなど、不当労働行為にあたる対応を取ってきた。
団交を申し入れ、組合員の弁明に対する回答、職場復帰に向けた環境整備、上司の威圧的な態度を改めることを要求している。不当労働行為については、病院の出方を見て、救済申し立てを考える。(小)

《東和シーフーズ》メンタル休職を謝罪し職場復帰を
豊中市内の水産加工業。長期に及ぶメンタル休職からようやく復帰しようという事務職のAさんに対する工場への不当な配転。会社でのストレスが原因の休職だと認め謝罪することと、元の事務職での復職を求めたが会社は拒否、9/17に第1回の団体交渉を行ったが平行線。詳細に主張する文書を添えて改めて同じ内容を要求し、会社周辺での抗議宣伝(会社前マイク宣伝+社長自宅を含む近隣地域でのビラのポスティング)を開始したが、会社から再度拒否する文書が届いた。
Aさんはややくじけ気味だが、ここが踏ん張りどころ。さんざん我慢してきた末に休職に追い込まれたのだから、心中に募る思いを存分にぶちまけてスカッとしよう! 結果は必ずついてくると信じて! 組合員の皆さんの激励と協力をお願いします。(K)

《データリレーションマーケティング(DRM)》会社前街宣、従業員の反応バツグン !
組合員Hさんに対する不当な出向命令の取り消しを求めて交渉中のDRM。1回目の団体交渉の後、東梅田にある会社前での宣伝行動を開始した。就業時間前になるとたくさんの従業員(テレフォンオペレーター)がビルに入ろうとしてエレベーター待ちの行列が歩道にまで伸びる状態で、ビラ撒きがしやすいことこの上なし! しかも従業員の反応もバツグンに良く、わざわざチラシを受け取りに来る人も複数人。Hさんの部署以外の部署でも色々と問題が眠っていそう。
宣伝を数回行ってから、改めて団体交渉を開催。出向命令の具体的根拠を示すよう要求し、部分的に合意しました。今後も宣伝と交渉を繰り返し、Hさんの職場復帰を目指します。(鈴)

《Kさん(非公然)》雇用保険確認申請の決定が出ない…
土木・建設コンサルタント会社の尼崎の事業所で、社員が起業したベンチャー企業で働いていたKさん。航空写真を基とする地理空間情報を使った地図をコンピューターで作成するなどの仕事。昨秋、新型コロナ罹患でしばらく休業し、その後も後遺症で体調がすぐれず仕事ができない状態が続いた。健康保険で傷病手当を…というところだが、業務委託契約となっているため対象外。国民健康保険でも新型コロナの場合は特例で傷病手当があるが、雇用関係の場合に限られており、これも対象外。仮に辞めるにしても、雇用保険もかけていないので、失業給付もない。何の補償もなく、困り果てて知人に紹介されて北大阪ユニオンへ。
詳しい話を聞くと、①会社の指揮命令下で具体的な業務指示を受けて働き、②労働時間に応じて報酬が支払われ、③就業場所は会社、④会社提供のパソコンで仕事をするなど、実態はほぼ雇用。体調も戻りつつあり以前同様に働きたいという希望もあるので、会社とモメない方が良いだろうと、雇用保険の遡及加入や国保での傷病手当受給を考え、職安で雇用保険の確認申請をすることに。ところが、間もなく3カ月になるのに、未だに決定が出ない。先に組合公然化することも含めて、改めて方針を考える必要がありそう。(K)

【労働相談から】

皆が職場で孤立させられている…
労働相談が徐々に増えてきているが、最近の傾向として、会社に対するよりも同僚とのトラブルが多いように感じる。いつも仕事で接している同僚とささいなことで問題が起き、それをうまく解決できないまま相手に対する恨みつらみが増して、最後に我慢の限界を迎える。それが実は会社の体制の問題であっても気付かず、相手の個人的な問題とばかり考えてしまう。むろん相手が普通の対応ができない人間である場合が多いが、自分にも多少そういう傾向がないかと思うことはあまりない。
組合としては話を聞いてあげるのが第一なのだが、派遣やパートなど短期雇用が増え、職場で同僚と仕事を通じて互いに少しずつ理解するということができず、皆が孤立しているのが原因と思われる。今後こうした傾向は更に増大してゆくのだろうか。(小)

ワクチン接種の副反応を「仮病だ」?!
某大手宅配会社の配送センターで荷分け等のアルバイトで働く19歳の息子さんについて、お母さんから相談の電話。コロナワクチンを接種後の副反応がきつく、1週間仕事を休んだ後に出勤すると、「仮病やろ! 嘘つくな!」と罵倒され、胸ぐらをつかまれるなどの暴行を受けた。怖くて出勤できない、辞めたいと言っている、どうすれば…という相談。
「どうすれば」も何も、フツーに犯罪や! 警察に突き出すべし!! 学生さんの早朝アルバイトだとのこと、「辞めれば即、生活破綻」という話でもなさそうだし、迷わず警察に被害届または暴行罪として刑事告訴するべきだ。直接の加害者はもちろん、会社としての責任も問われるのが当然だ。
大阪府南部の和泉市在住とのこと、北大阪ユニオンと友好関係にあるユニオンを紹介した。(K)

【コラム 労働組合を作るわけ】

「警官がドロボーをつかまえられないなら、警察はヤメタ」
Aさんは一時無国籍者であった。この世に存在しない人となったことは、以下の軍歴による。陸軍幼年学校に入り長じて陸軍士官学校へ。戦前の軍国時代、陸軍士官学校=陸士(リクシ)と海軍兵学校(カイヘイ)は東大京大よりエリートである。
陸士のうち「中野学校」に配されたAさんはスパイに養成されかけて、敗戦を迎える。中野学校在籍者として、「戦争犯罪人」=戦犯として以後生きなければならなかった。戦犯は「公職追放」の身であり、もちろん経済的打撃も大きい。
軍歴を何とかごまかし、福井市警察交番巡査として勤務し始めた。当時は自治体警察で市雇いの巡査。駅前交番自分の目前で、他人の自転車を持ち去る男をつかまえたところ、「在日朝鮮人同盟の某」と名乗り、日本国は敗戦国であるのにドロボーを在日の者に押しつける、と騒ぎ出し交番前は人の山。騒ぎで本署からかけつけた上司と大モメ。「警官がドロボーをつかまえられないなら、警察はヤメタ」とその場で官服を脱ぎ、辞職した。
Aさんの話に多少の誇張はあっても、当時の世相は映している。即ち、在日朝鮮人が団結していた。警察権力が弱く、その内部統制も効かなかった。敗戦直後はこんなところで超エリートにとって、居住いは決して良くなかった。一般大衆はどうであったろうか。主題から逸れるので、次にいくことにする。警察の話をしたのでヤクザの話でも。

(元執行委員長 中川幹雄)

【支部報告】

◇高槻支部
最近労働相談が増えてきており、これ以上来たらどうしようかという状態。しかも、コロナ禍が一応静まったと思われる今になってコロナ関連の相談が来ている。労働者も会社も、渦中の時はそれどころではなく、一段落してから、あの時の問題のカタをつけておかなくてはと思うのだろうか。
ユニオン全国大会の分科会で、新型コロナウィルス感染の労災申請は、医療従事者の申請が圧倒的に多く、一般の人の申請はまだ極めて少ないという報告があった。また、罹患後症状によっては労災支給停止の問題が起きているということなので、今後は新型コロナでの労災問題が増えてくるのかも知れない。(小)

◇豊能支部
12月25日(土)は第4土曜日、支部会議の日。いつもは午後2時からですが、この日は今年最後の支部会議なので、午後6時からと組合員みんなで健闘をたたえ合い労をねぎらい合う、ささやかな「おつかれさん会」とします。コロナの時節ですので「忘年会」とは呼びませんが、ま、そんなようなもんです。ぜひ来てね!(木)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です