北合同ニュース№224

北合同ニュース№224 2020年3月

「同一労働・同一賃金」実現への第一歩として
改正法令の施行を活用していこう!!

「不合理な」待遇差禁止、説明義務化

「働き方改革」関連の一環として、今年4月1日から、短時間労働者・有期雇用契約労働者・派遣労働者に対して、「同一労働同一賃金」が適用されます(中小企業*は来年4月1日から)。主な改正点は、下記の3点です。

1.「均等」待遇規定の強化:これまで短時間労働者(いわゆる「パート」。同じ会社のいわゆる正社員よりも所定労働時間が短い労働者)だけを対象としていた差別的取り扱い禁止規定を、有期雇用労働者(契約社員・準社員・嘱託社員など期限の定めのある雇用)にも拡大。ただし、職務内容や配置の変更範囲が同じである必要があり、配置転換・異動などがある場合に限るため、これに該当するケースはまれです。

2.「均衡」待遇の規定:基本給、賞与、各種手当、研修・教育訓練などについての「不合理な」待遇差を禁止。待遇差についての説明を義務化。

3.派遣労働者について:①派遣先企業の労働者との均等・均衡待遇、または②同種業務の平均的な賃金額と同等以上の賃金となること等、一定の要件を満たす労使協定…のいずれかで待遇を決定することを義務化。

特に大きな意味があるのは「2」です。待遇差がある場合に説明を求め、交渉ができます。交渉で待遇差が改善されない場合は裁判や労働局でのあっせん等の手続きが必要となりますが、待遇差は合理的なものであると立証するのは使用者(会社)の側だということになります。ただし、対象となるのは短時間労働者と有期雇用労働者のみ。労働契約法が改正され、5年を超えて有期雇用で働く労働者は無期雇用に転換できることになりましたが、無期転換すると上の適用対象からは外れてしまいます。また、一部の会社では、正社員の待遇を引き下げることによって均等・均衡を図ろうという動きがみられることも、大いに問題です。

改正の趣旨を職場で実現させよう

問題は残るものの、使える部分があることは確かです。労働者を保護する法令は全てそうですが、法令が改正されても、使用者の側は必ず「抜け道」を見つけ、「脱法行為」をしてきます。現場で働く労働者がそれを許さず、法改正の趣旨を職場において実現させる必要があります。そのために、労働組合は大きな力を発揮できますし、労働組合のない職場なら、私たちユニオン=誰でも1人でも入れる労働組合が力になることができます。
厚生労働省は、具体的にどのような場合が不合理な待遇差になるのか等について、ガイドラインも策定しています。組合員の皆さん自身の、また友人・知人の職場で、「同一労働・同一賃金」を実現する第一歩として、今回の改正法令の施行を大いに活用していきましょう! パート・有期雇用の方は、まずは豊能・高槻の各支部までご相談ください。     (木)
*ここで言う「中小企業」とは、製造業では資本金3億円以下または従業員300名以下、サービス業ではそれぞれ5千万円以下・100名以下。北合同組合員が働く会社の大部分が当てはまるのでは、と思います。

【活動報告】

《コミュニティユニオン・ネットワークより》

2/24「最低賃金を1,500円に!」と街頭アピール

2月21日から23日にかけて、コミュニティ・ユニオン全国ネットが、各地のネットワークに「最低賃金を1,500円に」というキャンペーンの実施を呼びかけました。これに応えて関西ネットでも、1日遅れの2月24日(月・休)、天王寺と天満でアピールを行いました。全国ネットで製作した新バナー(横断幕)を使い、マイクでもアピール。お札を模したチラシが訴求力抜群で、いつもより反応が良かった感じです。
「時給1,500円」と聞くと、「そんなん無理やろ?!」という反応もあるようですが、大ざっぱに言って「フルタイムで働いて手取り20万円」。憲法が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」のためには、せめてこれぐらいの水準は絶対に必要で、「そんな給料払ったら、個人経営や中小企業はつぶれてまうわ」と言うのなら、政府が補償すればよいだけのこと。アメリカに言われるまま戦闘機やミサイルシステムを爆買いするなら、「生活できる賃金」を保障しろ!という、ごく当たり前の要求です。総勢約20名、北合同からも3名が参加し、終了後は交流会で盛り上がりました。
全国では、栃木・茨城・東京・神奈川静岡・愛知・京都・兵庫・広島・愛媛で、各地のユニオンが同様のアピールを行いました。(木)

 

2/16「高木りゅうたと共に歩む会」

2/16に歩む会総会が開かれ、多くの参加がありました。昨年の選挙戦と2019年の活動報告があり、引き続き支援をお願いしました。しかし、昨今、活動を支えていただいた方の逝去等が続き、これまで通りの活動を続けていくだけでは先細りしていくことは必定です。
そのため、活動の幅を拡げる必要があり、同世代の保護者と連携して取り組んでいる給食の見直し運動や、まんがの議会報告などを通して、新たな層の取り込みにも注力する一年にしたいと考えています。
また、4月に茨木市議補欠選挙に立候補する山下けいきさんと、来年に選挙を控えた戸田靖子島本町議から激励のメッセージをいただきました。
会は恒例の高槻にまつわるクイズ大会で若干盛り上がり、最後は中川前執行委員長の「ガンバロー三唱」で締めくくりました。(高木)

官製ワーキングプア問題の根本は非正規公務員を増やし続けた結果

4月から、自治体で働く非常勤公務員は一部を除き「会計年度任用職員」となる。これまで任用根拠が自治体で異なり、その処遇もまばらだったいわゆる「非正規公務員」は、官製ワーキングプアと呼ばれ、正職員と同様の職責にありながら、昇給も賞与も退職金もないという自治体がほとんどであった。これを「会計年度任用職員」として整理し、非正規公務員の処遇を改善させるというのが制度の建前だが、実際はそのようにはなっていない。
会計年度任用職員では、フルタイムとパートタイムの二つに分類され、フルタイムでは退職金を支払うことが「できる(義務ではない)」とされた。しかし高槻市の場合では、フルタイム任用は0人。すべてパートタイム扱いとなる。更新を繰り返し18年間、非正規として働く職員がいるが、退職金は支払われない。他市の事例では、正職員と同じ1日8時間勤務だったものを、30分短縮してパートタイムにさせるといった手口まで横行している。また、フルタイム、パートタイムともに賞与が支給「できる」ことになり、年収ベースで数万円収入が増える。しかし、賞与の原資は月給から差し引いた分が多くを占めるため、高槻市では月給が3万円も減るケースもあり、生活に支障が出かねない。
非正規公務員の労働組合が活発な自治体では、有給が認められる範囲を拡大させるなどしてきたが、会計年度任用職員への移行にともない、国の非正規公務員の水準に合わせるため、組合が勝ち取ってきた権利が奪われるといった事態にもなっている。官製ワーキングプア問題の根本は、非正規公務員を増やし続けた結果であり、勤務年数が長い場合や正職員と同等の職にある場合は、正規化をすすめるべきだ。会計年度任用職員制度は根本的解決にはつながらず、かえって非正規公務員が抱えている問題を固定化させることにしかなっていない。(高木)

3/29関西生コン支部弾圧問題学習会は中止

3月29日(日)に予定していた学習会「関西生コンへの弾圧の本質と背景を考える」は、新型コロナ感染拡大により、茨木市が市有施設を休館としたため会場が使用できず、残念ながらひとまず中止とします。いずれ近いうちに日程調整の上、改めてご案内します。

【闘いの現場から】

《AET・高槻市教育委員会》高裁が不当労働行為認定、高槻市敗訴

高槻市で英語指導助手(AET)のスーパーバイザーとして10年以上勤務していた米国出身のD氏を、北合同に加入したことを理由に市が雇止めを強行。これを府労委が不当労働行為と認め、救済命令を出したのが2017年。市は府労委を相手に、命令の取り消し訴訟を提訴。一審は市が勝訴し、控訴審が行われていたが、2月14日に大阪高裁で判決があった。なんと一審判決を覆し、府労委及び補助参加人の北合同の主張が全面的に認められ、市の敗訴となった。
控訴審では、高槻市がD氏の労組加入前に雇止めを決定していたかがひとつの争点となった。府労委での審査段階で市は確たる証拠を示さなかったが、一審で地裁から証拠を求められ突如、すでに公表していた予算要求文書にD氏の雇止めを示唆する箇所が書き加えられた別の文書を証拠として提出してきた。市は「再度探したところ、教育委員会から他部署に異動していった職員が残したファイルに当該文書が一枚だけ残っていた」と眉唾物の主張を展開した。
あまりに都合が良すぎるため、府労委は「裁判に有利な文書を市が捏造したのではないか」と主張したが、地裁はこれを証拠として市の主張を認めた。しかし、控訴審で高裁は「文書は不自然で証拠とはならない」と切り捨て、「10年以上問題を起こさず働いてきたD氏を雇止めにする合理的理由はなく、北合同との団交後に契約更新をしない通知を出していることからも組合加入を理由とした不当労働行為である」として一審判決を覆した。判決ではそれ以外でも市の主張の矛盾点を丁寧に指摘しており、溜飲が下がる思いだ。
この判決より先に、高槻市がAETの労組活動を理由に卒業式に出席させなかった不当労働行為の取り消し訴訟も昨年、市の敗訴が確定。市はD氏判決も最高裁に上告するのだろうが、立て続けに府労委の救済命令取り消し訴訟を提起し、2件とも敗訴となった事実は重い。背景に高槻市の労働組合に対する無理解、嫌悪があることは想像に難くない。市は行政として猛省し、なんらかの責任をとらなければいけない。(高木)

《ビブラス/聖美会》府労委審査に若い女性社員が1人で?!

美容整形を西日本7ヶ所で経営する医療法人(本院は大阪市北区)のグループ企業での解雇事件。生活保障を求め団交を申し入れたのに完全黙殺。府労委での不当労働行為審査は2月14日に初回期日。労働側委員を通じて和解の意思の有無を探ってもらったが、法人側にはその気はないらしい。理事長はおろか弁護士も現れず、何も分からない若い女性社員が1人で来たが、次回の都合すら即答できない。ナメ切っている。
月に2回程度の街頭抗議行動も続けているが、先日、豊中市緑丘の豪邸街にある理事長宅周辺で街頭宣伝を行った際、ガレージに前回とはまた違う外車が2台。いったい何台持っとんねん?! 労働者を使い捨てにして、ポケットマネーで払える水準の生活保障すらしようとしない理事長には、きつくお灸をすえる必要がある。次回府労委期日(3/18水、13時)には、高知からSさん本人も来ますので、府労委へ行く前には大阪院前で抗議宣伝を予定しています。(木)

《松田精機》パワハラ・不当配転の次は不当解雇

先日パワハラと不当な配置転換の問題があったばかりの松田精機で、今度は不当解雇事件が起こりました。管理職候補として去年の9月に松田精機に入社したKさんに対し、松田精機は3月4日にKさんを呼び出し、突然解雇通知書を手渡しました。解雇理由は管理職に不適格だと判断したためとのこと。その解雇通知書にはそう判断した理由として、Kさんがしたとされる問題行動やミスがあれこれ並べられているものの、これまでの面談や査定評価では一度も問題とされなかったことが理由にされていたり、因果関係の曖昧なことがKさんのせいにされているなど、問題だらけ。さらには、Kさんが「これは経験がないのでできるかどうかわかりません」と会社側に事前に伝えていた仕事のミスまで解雇理由に並べられている始末…。
ダメだこりゃ、ということで当組合に相談に来たKさん。即日加入して松田精機に団交を申し入れ、13日に交渉を行いました。この交渉で解雇の理由を問いただしたところ、松田精機側はオロオロと資料を繰るばかりでまともな説明もできず、こちらの質問にも答えられず、交渉の途中からうつむいて黙り込んでしまいました。つまり、解雇する根拠なんてないのです。にもかかわらず「解雇は撤回しない!」と無茶を言う松田精機。さらには「出社したら警察を呼ぶ」とまで…!
言ってわからない会社には体で覚えてもらいましょう。Kさんは職場復帰する気満々。街頭宣伝、出勤闘争、あらゆる手段を使って解雇撤回させます。応援よろしくお願いします。(鈴)

《前原鎔断》解雇無効裁判は残念ながら敗訴に

金属加工メーカー(淀川区)。Mさん不当解雇事件。地位確認(解雇無効)の裁判を争っていたが、3月3日に大阪地裁で判決があり、未払賃金の支払いが一部認められたものの、残念ながら、肝心の解雇無効の主張は斥けられる敗訴となった。「Mさんにややミスが多かったのは事実だが、それは会社が十分な教育研修を怠ったことと、パワハラ攻撃で精神的に追い詰められていたため。すでにボーナスの最低評価や賃下げなどの不利益取り扱いを受けており、そのうえ解雇はひどすぎる」というのが当方主張だったが、判決では、会社によるパワハラについては、事実をほぼ認定しているにもかかわらず、「ただちに不法行為を構成するものとはいえない」で片づけた。これでは、ビデオ録画でもしない限り立証できない。そして、会社の主張はそのまま受け入れて「解雇やむなし」との結論。
ひどい判決だが、控訴して争うには再び長い時間と多大な精神的エネルギーを必要とする。すでに次の仕事に就いていることもあり、ご家族とも相談の上、Mさんは控訴断念を決めた。一昨年夏の解雇から1年半(最初の退職勧奨での組合加入からでは10年余)、悔しい結末となってしまった。(木)

会社からの有給取得日指定にご注意を!

「働き方改革」関連法案は昨年から順次適用が開始されているが、雇用主の対応に様々な問題が発生している。有給取得最低年5日というのもその一つで、勤続6ヶ月以上で年間10日以上の有給の権利を持っていながら、実際には1日の行使もできないような労働者を救済するための法令で、違反すれば会社に罰則が課される。その実現のためには労働条件の改善が当然前提となるが、それを怠り、会社の休日などを優先的に有給取得日にするよう指示する雇用者がいる。中には就業規則を変更して慶弔休暇などを取り消し、それを有給日に充てるように仕向ける悪質な会社もあるようだ。また最近では、コロナウィルス感染回避のための会社の休日を有給にするよう指示する所があるとの報道もある。
有給休暇の取得は労働者の権利であり、労働者は自由に休暇日の選択ができる。会社が有給休暇日を指定するのは法律違反。皆さんの職場にこのような事が起きていないか注意して下さい。また、今年4月からは残業時間規制の上限規定が中小企業にも適用されるが、これにも抜け道があるようだ。会社が突然就業規則の変更を提示してきたら要注意。念入りにチェックするように。何かおかしいと思ったら北合同に連絡を!  (小)

【支部報告】

◇高槻支部

2月14日の支部会議には9名の組合員が参加した。今のところ急を要する労働相談はないが、元食品新聞社のIさんから裁判闘争の経過報告があったほか、組合員の職場の状況報告などがあった。
学習会では「ヘルパー危機」という朝日新聞の連載記事を紹介した。昨年11月に訪問介護の現役ヘルパーの女性3人が、劣悪な労働環境改善を訴えて東京地裁に提訴した。キャンセルや賃金未払い等の労基法違反が常態化しており、「このままでは次の世代は誰もホームヘルパーとして働かない」と訴えている。事業所の問題もあるが、国が福祉予算の見直しを含めて制度を大幅に改善する方針を持たなければ解決は見出せないだろう。(小)

◇豊能支部

支部会議の日に団交が入ったりして、ちゃんと会議ができていません。そうでなくとも議題の共有などやるべきことがおろそかになっているので、支部会議の持ち方を含めて検討します。現状豊能支部ではNさんのEDP、Sさんの聖美会、新入組合員Kさんの松田精機で争議が進行中です。交渉や行動の予定を素早く共有するようにするので、できる限りの参加をお願いします。(鈴)

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