北大阪ユニオンニュース№230

北大阪ユニオンニュース№230 2021年1月

労働者が主役の世の中を目指して
みんなで励まし合いながら頑張りましょう!!

「まともな政権」を打ちたてよう

新年おめでとうございます。昨年9月、安倍首相が辞任しました。戦争法制をはじめとする悪法を次々と成立させ、「モリ・カケ・サクラ」など政治と税金の私物化、隠ぺい・改ざんと、乱暴狼藉の限りを尽くしてきた政権がようやく終わりました。私たち市民の手で政権を打ち倒し、アベは牢屋にぶち込まれるのが当然なのですが、残念ながら、体調不良を理由とする辞任という形。ですが、それは単なる口実、コロナ禍に無能ぶりをさらけ出す中、「桜を見る会」での捜査が迫り、市民の怒りが爆発するのを恐れ、政権崩壊する前に逃げ出した、というのが実際のところでしょう。
「安倍路線の継承」を掲げて政権に就いた菅は、首相就任早々に、学術会議会員人事に介入。元警察官僚の杉田官房副長官が画策したことが明らかとなっており、人事を掌握して睨みを効かせ、警察(と警察出身者)が裏で動き回り、学問の自由・表現の自由を封殺する恐怖政治を敷く構えです。コロナ禍への無為無策無能ぶりや、官房長官として自ら関与してきた「モリ・カケ・サクラ」の真相解明に完全にそっぽを向く態度も、まさしくアベ政治の継承、アベの劣化コピーです。
アメリカの大統領選では、差別をあおり分断を生み出してきた現職のトランプが敗れ、政権交代します。日本でも、安倍政権の7年8ヶ月でボロボロにされた政治・経済・社会を立て直すために、またコロナ禍から私たちの生活・生命・健康を守るために、「まともな政権」を打ち立てねばなりません。「流れを変える1年」にしていきましょう!

「組合員の助け合い・支え合い」で

とはいえ、私たち北合同の日常活動は、これまでと何ら変わりません。新規の、また既存組合員からの一つひとつの相談に丁寧に対応し、本人の状況や置かれた環境の中での最善の解決を目指す。本人なりの前進を、担当執行委員を中心に組合員みんなで全力でサポートする。ある時には支援を受け、次の時には支援する側に回る。そうやって、組合員みんなの「助け合い・支え合い」の力で、気持ちよく働ける職場の環境をつくり、職場で仲間を増やし、さらには、まともな組合がある会社を増やして、会社の利益のために労働者が機械の部品のようにコキ使われたり切り捨てられたりすることのない「労働者が主役」の世の中へと変えていく…。
2021年も「助け合い・支え合い」で、全組合員が自分なりの前進を勝ち取れるよう、労働者が主役の世の中を目指して、みんなで励まし合いながら頑張りましょう! (執行委員長・木村 真)

【活動報告】

《コミュニティユニオン・ネットワークより》

厚生労働省への要請行動

12月6日、コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク(CUNN)が毎年恒例の厚生労働省への要請行動を行いました。「パート労働」「派遣法の抜け穴としての有料職業紹介」「新型コロナ関連の雇用調整助成金の特例措置」「育児休業給付金」「介護労働者の処遇改善」「最低賃金引上げ」等々、加盟各ユニオンの活動の現場から寄せられた12項目の切実なことにつき要請し、厚労省の回答を聞き、短時間ですが意見交換します。要請項目には、自治体の「会計年度任用職員」の雇用の安定、労働条件改善、待遇差別の解消を盛り込んでいるため、総務省と人事院の職員も交渉の席に着きました。
要請書は予め送付してあるのですが、「その場で即答」というわけにはいきませんし、何年も繰り返し要請している項目もあります。なかなかすんなりとは進みませんが、とにもかくにも、国の労働行政の担当者に直接要請できること自体は、決して無意味ではないと思います。例年は、全国運営委員の北合同・木村委員長が要請行動に参加していますが、今年は都合により不参加でした。

労組潰しの大弾圧を許さない!元日行動

全日建連帯労組関西生コン支部への国家権力による異様な大弾圧については、これまで何度もお伝えしてきました。昨年5月29日に武委員長が、6月1日には湯川副委員長が保釈。異常・不当な長期勾留でしたが、ようやく組合員全員の保釈を勝ち取ることができました。新年早々1月1日には「元日行動」を行いました。厳しい寒さの中、大阪府警本部前にて労働組合・市民運動団体など約400名が集まり、「組合弾圧をやめろ」「不当な保釈条件を解除しろ」「組合・組合員と家族に謝罪しろ」と声を上げました。(K)

《広報委員会より》

パンフレット、何とか春までには…
やるやると言っているパンフレットですが、デザインはほぼ完成したのに進行が止まっています。ちょっと夏の終わりくらいから年末まで忙しすぎたので、なんとか春までには完成させます!(S)

講座「コロナ禍におけるテレワークの現状と問題点」に参加して

11月30日に開催された「コロナ禍下におけるテレワークの現状と問題点」(主催:NPO法人労働と人権サポートセンター大阪)という講座に参加してきました。
そもそも「テレワーク」と一口に言っても、自宅で業務を行う「在宅勤務型」や、職場や自宅だけに限らずカフェや顧客先などで業務を行う「モバイルワーク型」、あるいは企業が従業員向けに設置した小規模オフィスで業務を行う「サテライトオフィス型」など、その形態は様々あります。「コロナ禍によってテレワークが普及した」とよく言われますが、この間に実際に拡大したのは「在宅勤務型」です。しかもそれは、業務の始まりから終わりまで一貫して自宅内で行われるという極めて特殊な状態にあります。言うなれば「完全自宅軟禁型」といった感じでしょうか。それに伴ってDVなど家庭内での問題が起こってきているとのことです。
また、テレワークがパンデミックに押される形で急激に拡大されたことにより、法整備や労使間のすり合わせが間に合っておらず、「例外状態」が続いていることが問題です。連合の調査によると、今年4月以降にテレワークを経験した1000人の回答者の内、381人が「残業をしたことがある」と回答しているが、その内の248人が残業を申請しなかったことがあり、166人が残業を申請したが認められなかったとのこと。残業を申請しなかった理由として「申告しづらい雰囲気だから」(26.6%)に続いて多いのが「時間管理がされていないから」(25.8%)だったことは、極めて特徴的だと言えます。これは通常のオフィス勤務ではまずあり得ないでしょう。さらに、テレワークによって増加した自宅の電気代や携帯電話などの通信費用、パソコンなどの買い換え費用については、全く補助を行っていない企業が半数を超えています。電気代に至っては74.4%の企業が一切の支払いをしていません。
つまり、残業や深夜労働など時間外賃金の支払い、必要経費の支払いなど、本来であれば企業側が負担しなければならないこれらの費用が労働者に転嫁されているのが今のテレワークの現状なのです。企業側は今後この例外状態(あるいは無法状態)を、法制度を含めた様々な方法で永続的なものにしようとするでしょう。これに対してどのように抵抗し、労働者の立場に立った「新しい労働法制」を作っていけるかが、私たち労働組合の課題だと言えます。(S)

【労働相談から】

物品購入ミスで会社から100万の請求

建設会社の経理事務職の方からの電話相談。物品購入の際にちょっとした手続きミスをしたのだが、これを咎められ、代金100万円を「自分で払え」と。実際に、過去に同様の件で支払わされた人もいるらしい。やくざ顔負け、とんでもない会社だ。
一般論として、業務上であっても「故意または重大な過失」で会社に損害を与えた場合、賠償を求められる場合はあり得るが、故意や過失の重大性と賠償額のバランスが取れていることが原則。このケースの場合、代金100万円は「損害」ではなく、仮に金額が高すぎる(例えば通常80万円のものを100万円で買った等)としても「損害」は差額20万円のみだし、その差額=損害を全額労働者に求償するのは、よほど重大な過失でない限り不当だ。まして本人同意なく給与から差し引くとなると、労基法違反は明白。
とにかく、事務所へ来て詳しく話を聞かせてほしい旨を伝えたが、その後は今のところ連絡なし。 (K)

【闘いの現場から】

《ミノケン》街宣・ストライキも視野に交渉継続

箕面市にある生コン製造・販売会社。年休なし、時間外手当なし、タイムカードも就業規則も雇用契約書も何にもなし、全て一族経営の会社の気分次第という「トンデモ会社」。9月に3名の正社員全員が北合同に加入。まず労働条件通知書を出すこと、それに合わせ年休や時間外手当等を労働法に則り整備することを要求。コロナ禍で書面のやり取りが続いたが、12月4日にようやく団交。会社は「法律は守るが法律以上のことは一切拒否」という姿勢。「時間外労働が発生すれば手当は支払う」(当たり前だ!)とする一方、これまで日・祝のみ休の週6日勤務を週5日に減らす、と。正社員でありながら「日給×日数」で給与が支払われるため、これでは月給はダウンとなってしまう。過去の未払い残業代も、「払う」といいつつ、支払期日をはっきりさせない。
労働組合のことなど全く知らない会社に過剰な警戒をさせないため、これまで低姿勢で交渉を続けてきたが、「お願い」ではこれが限界。やはり、毅然とした態度で「たたかって勝ち取る」しかない。正社員全員が組合員なのだから、街頭宣伝、さらにはストライキも視野に交渉を続ける。(K)

《AET・高槻市教育委員会》市教委は憲法・労働法を学び直せ

2015年、小学校の英語指導助手(AET)のスーパーバイザーとして10年間高槻市教育委員会で働いていたD氏の組合活動を嫌悪し、高槻市教委はD氏を雇い止めにした。大阪府労委はこれを不当労働行為と認定したが、市教委は府労委の決定の取消し訴訟を起こした。地裁で市の訴えが認められたが、高裁判決で市が敗訴。市は上告したが、昨年11月に最高裁の上告棄却で市の敗訴が確定した。12月2日、市教委が北合同高槻支部を訪れ、府労委の命令のとおり、組合に謝罪文を手交した(写真)。
D氏はすでに米国に帰国しており、今後の対応を検討をしている状況である。また、執行委員の高木が12月市議会でこの件について質問したが、市教委は「不当労働行為の再発防止について何か行う必要はない」と答え、さらにD氏が市の不当労働行為によって失職したことについては「業務終了により契約も終了した」に過ぎないと、府労委や裁判で退けられた主張をまたも繰り返すなど、まったく反省をしていない態度であった。生徒に憲法を教えている学校を統括する市教委こそ、率先して憲法28条や労働法を学びなおす必要がある。(高)

《森土木》「予告手当+α」の解決金で合意

建設残土の受入・処理、砕石や砂利の販売・運搬をする会社(豊中市)。ダンプ運転手のTさん、入社数日後、仕事が終わった後で会社駐車場で同僚と立ち話をしていたところ、いきなり社長の息子から暴行を受け、全治10日のけがを負った。社長に訴えたが、「仲良くやってくれ」と、一方的な暴力事件なのに「ケンカ両成敗」のような態度。会社としての責任もあいまいにしたまま、意味不明の文書に署名させられそうになったので拒否したところ、「和解を拒否するのなら一緒に仕事はできない」とクビ宣告!
Tさんは北合同に相談、即、加入。とんでもないヤクザ企業かと身構えたが、交渉で会社に乗り込んでみると、社長はごく普通の穏やかなおっさん。息子が調子に乗り過ぎているということか?! 当方からは、慰謝料と生活保障として解雇予告手当の上積みを要求。大幅に減額されたものの、「予告手当+α」の解決金を支払うことで合意。文書を交わし、入金待ちの状態。
Tさんはすでに別の会社で働き始めている。気持ちを切り替えて、新しい職場で頑張ろう!(K)

《ラミネート工業》懲戒処分、解雇を直ちに撤回せよ!!

昨年10月に会社はIさんに自宅待機を命じ、不当な懲戒処分と総務部への配置転換を行った。会社は懲戒処分通知書の中で過去の事を理由に挙げてきたが、すべてについてIさんと会社の認識は全く違う。また、総務部に属する社員は誰もおらず、Iさんを製造部の社員から切り離し孤立化させようという会社の企みは明らか。その後、会社は懲戒処分の際のIさんの発言を誇張して始末書の提出を求め、提出しないと2度目の懲戒処分を出し7日間の出勤停止とした。11月27日に団体交渉を行い、懲戒処分の理由とした過去の出来事について会社に具体的な根拠などを問い質したが、明確な回答をせず「処分は正しい」と言うのみ。
Iさんが出勤停止明けの12月9日に会社に出ると、今度は「着替手当」の不正受給について始末書を書けと言われた。Iさんは「着替手当」の事は組合に預けていると返答。すると、翌日に「解雇通告書」がIさん宅に届いた。Iさんは自宅で作業服に着替えて通勤していたが、会社はそれを「着替手当」の不正受給だと言う。Iさんに対する連続した問答無用の懲戒処分と解雇処分は、Iさんを会社から排除するために最初から計画された典型的な不当労働行為である。(詳細は今号に同封の抗議チラシを参照して下さい。)
組合は解雇の翌週に会社前で組合の街宣車で抗議行動と二度のビラまきを行った。Iさんは大川・吉村弁護士事務所に依頼し、解雇撤回、懲戒処分撤回を求める裁判を提訴した。組合は労働委員会に不当労働行為の救済申し立てを検討している。 (小)

今年は「脱ひとり分会!」が目標

あけましておめでとうございます! 昨年EDP分会ではボーナスと賃上げの交渉で一定の成果をあげることができ、交渉の場に非組合員が応援で参加してくれたりして、北大阪合同のことを従業員に知ってもらうことができました。また、社内での日常的な問題について従業員が揃って上司に直談判するなど「仲間作り」は進みつつありますが、組合加入までは至っていません。今年は社内での組織化(簡単に言えば1人でも2人でもいいので組合に加入してもらうこと。脱ひとり分会!)を目標にしていきたいと思います。(EDP分会・西川)

【支部報告】

◇高槻支部

年明けの仕事始めの週に支部会議となったが、7名の組合員が集まった。コロナ感染の急拡大で1都3県の緊急事態宣言が発令され、大阪も宣言を要請するという。今のところ組合員達の職場、家庭に特に問題はないようだ。政府はGOTOキャンペーンにかじりつき、吉村大阪府知事は3日前には「大阪は大丈夫」と言っていた。一体どうなっているのか。実際には感染の歯止めがかからず、労働現場では既にコロナ関連の解雇が8万人を超えているそうだ。しかしそうした危機的な状況の具体的な報道はあまりに少ない。
学習会では、月刊『労働組合』の特集「働く女性に何がおきているか」から、働く女性がコロナ禍で大きな犠牲を強いられている状況の報告を紹介した。女性の比率が高い非正規労働者の雇止めの乱発が始まり、雇用の調整弁とされている。職場に残っても長時間労働、健康管理、休業補償をめぐる対立など多くの問題が放置され、過酷な労働条件を強いられている。「普通に働きたい」を支援し実現する労働組合が求められている。 (小)

◇豊能支部

12月の支部会議の日に、年内最後のティッシュ配りと、ささやかながら「お疲れさま会」をやりました。2021年の忘年会は気兼ねなくパー!っとやれるようになっていたらいいですね。大阪も緊急事態宣言が発令されそうで、団交のスケジュールなども調整が迫られそうです。 (鈴)